
『52ヘルツのクジラたち』、『星を掬う』など様々な作品を生み出してきた町田そのこさん。そんな町田さんが綴る初の長編サスペンス。
主人公の飯塚みちるは、都内で事件記者をしていた。しかし、過去に犯した自身の罪が原因で逃げるように故郷の北九州へ戻っていた。
タウン誌の記者を始めて5ヶ月が過ぎた頃。
元仕事仲間であり、元恋人の堂本宗次郎から突然の連絡が入る。内容は北九州市内の山で見たかった遺体について記事にしてほしいという仕事の依頼だった。
自分の罪から逃げ続けているみちるは、堂本からの仕事を断るが、遺体の服のポケットから『ありがとう、ごめんね。みちる』というメモが出てきたと言うのだ。突然自分の名前がでてきて動揺するみちる。
もう戻らないと決めた世界に、みちるは自ら足を踏み込んでしまうのだ。
本作はプロットが100枚以上にも及んだそうです。
それくらいの熱量が込められていると思うと読み手も背筋が伸びる思いです。
男尊女卑、DV、いじめ、洗脳、詐欺、トランスジェンダー。
本作にはこれらが全て詰め込まれています。
これらは、令和になった今も現代社会に当たり前のように私たちのすぐそばにいます。
「所詮、小説の中の話でしょ」
そう思う方もいると思います。
でも、これは違います。
すべて、現実であり、現代であり、日常なのです。
みなさんは、逃げずに向き合うことができますか?