「私の心臓はあのとき一部分はっきり死んだと思う。さびしさのあまりねじ切れて。」
短編だからこそ印象に残るワードセンスに魅せられました。本は読むことで自分の気持ちを整理する側面を持っていると思っているのですが、こんな言葉で代弁されてしまったらより一層複雑になってしまいますね。
江國さんは柔らかくて心地の良いシーンから苦しくてどうしようも無く辟易としてしまう所まで本当に幅の広い関係を題材にしていますが、この短編ではそれらを一気に堪能することができるため江國さん入門にはもってこいなのではないかと思います。
全12編の短編集。休憩時間に如何ですか?