『少年は死になさい…美しく』 新堂冬樹
私が心理学を勉強した理由の一つにどんな人の思考や感情にも理解や想像が出来るようになりたいというものがあります。
だけど……、この本に登場してくてくる人物の多くに理解や想像、ましてや共感は出来ませんでした。
起こる事件。行動原理。思想や思考。すべてに「……えぇ……」と一歩下がってしまいます。
いやでも、名倉刑事の発狂にはまだ共感が出来ます。
でも、その状況に自分は立ちたくありません。トラウマどころの話ではなくなってしまいます。
平和な日常万歳。型にはまった温厚で常識人万歳。
たとえ、味気なくとも平穏無事な毎日が一番です。
とても残忍かつグロの強いお話ですので苦手な方は要注意です。
恐ろしい話ではありますが、この人はどうなるんだろう? この事件はどうやって収束していくのだろう? とページ捲る手は止まりませんでした。