命の後で咲いた花/綾崎隼
森の図書室

命の後で咲いた花/綾崎隼

2022.11.29

人生で全身麻酔を伴う大きな手術を4回ほど受けています。
麻酔と痛み止めが抜けた時の激痛を感じるたびに手術なんて受けなければ……と涙を流したくなりました。
特に2年前に受けた手術では初めて経鼻経管栄養と呼ばれる鼻からチューブを入れた栄養摂取方法を取り、加えて何日も喋ることが出来ない経験をした時は「もう終わりだ……」と手術が成功した後にも関わらず勝手に人生に句点を書こうとしました。

いずれも大病と言われるものではありませんでしたし、今ではすっかり元気ですが、思い出を振り返るたびに今の健康体を恵まれていると感じるものです。

題名でなんとなく想像出来るかもしれんません。
今回は綾崎先生の描く闘病と恋愛ミステリーのお話です。

なずなの透弥に対する実直な好意。
当たって砕け散りまくりの彼女ですが、諦めない精神で突進していきます。透弥もなずなの好意に応えられないと断りつつも、つっけんどんな態度の中に優しさと気遣いを含めていて……。

透弥さん、その曖昧な態度は罪だぞ!? と思ったりしてしまいます。

ここで忘れてはいけないミステリ要素ですが、2人の恋模様にいくつかの違和感が散っています。
あ、これは……と気付く方も多いのではないでしょうか。

トリックが決定的な形で明かされるシーンでは、惜別の涙と動揺で頭を抱えてしまいます。

これ以上何かを語ったらネタバレをしそうです。
もう読んでください。読みましょう。ぜひ。

こちらの御本、綾崎先生の初単行本らしいのですが私は文庫でしか持っていません。
近いうちに単行本版もゲットしたいものです。

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