あふれ出す悪感情に思わず眉根を寄せてしまう、じわっと沁みるような静かな威力を感じる作品。
「あみ子」という女の子を通して読者側が常に試されていて、正直ものすごく読み心地が悪く疲弊しながらも、温度が伝わるような会話や細やかすぎる描写に感動します。特にあみ子がとうもろこしを握りしめる描写は今にもぷちんと弾けそうなとうもろこしの甘い匂いまで伝わってくるようでうっとりしてしまいました。