「素晴らしい作品だ!」などと利いた風なことを言ってみたいものですが、全く理解に苦しみました。エッセイとありますが、安部公房の秘密の日記をそっと覗いているような少しどきどきしてしまう作品です。
彼は「砂」に対して異常な執着があり、「砂の持っているあのプラスチックな性質に惹かれる」など一旦考え込む必要のある文章ばかりで、共感こそ出来ずとも、引き込まれたり、度肝を抜かれたりと新しい視点をくれます。このエッセイのせいで一時期、私のネットの検索履歴は砂や砂漠だらけでした。