地方の進学校に伝わる奇妙な伝説。いつ始まったのかもわからない。三年に一度、サヨコと呼ばれる生徒が、見えざる手によって選ばれるという。他愛のないしきたり。意味を持たないその行事は、伝統となって今年もやってくる。
「サヨコ」のすべきことはたった一つだけ。誰にも「サヨコ」であることを悟られずに、今年六番目となる「サヨコ」は成し遂げることができるのだろうか。
本書は恩田陸さんのデビュー作品です。