私は物心がついたばかりの4歳頃に「お茶」を習っていました。
正座をさせられて訳も分からないままみどり色の粉を湯に溶かし、しゃかしゃかと泡立てて、器をぐるぐる回しながら飲む。子供ながらに「なんてまわりくどい飲み方をするんだろう」と小生意気な事を思っていたものです。
でも先生の穏やかな優しい声とただお茶を立てる音が響く部屋がとても好きでした。
今思えば、あれはきっと生活の大事な余白なんだと分かります。
何事も合理化されているからわざと面倒な事を選びバランスを取るのも良いかもしれません。ふにゃりと心が柔らかくなるお話です。