又吉直樹さんがオススメされていたので、初めて読んだ翻訳本。美しい殺人鬼の様子にゾクゾクしました。
主人公グルヌイユはまさに狂人。自らの殺人を「臭いを採取する」といいう正当な目的の元殺しを繰り返していきます。 読んでいるうちグルヌイユが罪を犯すまでに過ごした時間が体内にとめどなく流れ込み、次第に何故か自分と重ねてしまいました。
映画でもドラマでもアニメでもない、小説だからこそ殺人犯に思いを寄せ、そう遠くない人間なのかもしれないと思えるような。どこまでも生活の延長線にあるように感じました。