日本史の授業で紹介されてから、大学生になったら谷崎潤一郎作品を読もうと思い続けてきて、漸く読んだ一冊でした。
耽美派と評される谷崎ですが、ナオミの描写や2人の関係性が文学となることで現実よりも美しさが極まっているように感じます。 1人の少女に耽溺する姿は愚かなようで、それが彼の何よりの幸福なのだと、人間というものを見る視野が広がったような気がします。
今でこそ様々な夫婦や恋人の形がありますが、何十年も前にこの本を読んだ人はさぞ驚いただろうと感ぜられます。