「せめて絵を眺めているあいだくらいは、何もかも忘れて、夢を見ることができるように。痛みをなくす麻酔のような力が、先生の絵にはある。」
原田さんが描く画家達は一つ外側のあり得たかもしれない私達の立場から描かれます。決して一人称視点で描かれないからこそ輪郭が掴めないような神秘さが漂っているような気がしました。
この丁寧に紡がれた言葉に触れた時温かな日が差し込んだように心が躍り、ほんの少し思いを馳せました。この本に出会えた僥倖を深く深く噛み締めて、また彼らに会いに行きたいです。