十年ぶりに再会した美人マネージャーの友人は「人を殺してしまった」と男の姿になって現れる。
二十数年前に書かれたジェンダーがテーマになっているミステリーです。
特に印象的だったのは外側をたどると内側にも到達する”メビウスの帯”という言葉。
初めて聞いた言葉だったのですが心が男という自認を持ちながらも自分の子供を愛おしく思う母性の部分も兼ね備えている美月の「男女は”メビウスの帯”の上にいる。」という言葉は腑に落ちました。
登場人物のいろんな片思いが交差しながらもタイトルに込められた本当の”片想い”の意味はとても深いものでした。