「52ヘルツのクジラ。世界で一番孤独だと言われているクジラ。その声は広大な海で確かに響いているのに、受け止める仲間はどこにもいない」
自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれていた少年。辛い描写もありますが、孤独を叫ぶ心の声が一人でも多く聴いてもらえる、受け入れてもらえることを祈らずにはいられません。 人を想う温かな愛の存在がここに確かにあるのだと、信じてみようと思える、そんな一冊です。