「僕たちはそういう生き物なんだ。信仰の入れ物なんだ。そういう風に作られてる。僕たちは遺伝子の家畜なんだよ」
そういえば、私たちが知ってることで「真実」ってどれくらいあるのでしょうか。この本を読むと自分が信じているものって、意外と誰かが冗談半分で作り出したり言い出したことだったりするのかもなぁと思わされます。
現代の日本では”無宗教””現実主義”といった観念によく触れますが、この作品では「信じないことを信じているだけ」と切り捨てられます。
村田沙耶香さんの作品を読むと世界へのある種の諦めと虚無感に襲われて足場が崩れる感覚にかられます。体験されたい方はぜひ覚悟して読まれてください。