誘拐事件、という言葉からぱっと思いつくようなイメージを根本から覆していく本書。読み進めながら深まっていく疑問にハラハラしながらも引き込まれていき、気づいたらページを捲る手が止まらなくなっています。
誘拐、の裏に隠されている、人間としての「価値」の指標。人質が、幼い子どもではなく、華奢な女の子ではなく、ホームレスだったら?
身代金の要求先も巧妙で、あなたの正義感が試されます。身代金を支払って人質を助けるべきか、支払わずに犯罪に加担しないことを選ぶか?
かなり重いテーマの本です。しっかり腰を落ち着けて考え事をしたい時にどうぞ。