若きピアニストたちが熾烈な争いを繰り広げるコンクールでの彼らの葛藤と成長が描かれます。
登場人物の殆どは天才・神童と呼ばれる人々ですが、彼ら自身の悩み、迷い、時に自身への絶望、そんな感情が詳細に描かれており、ピアニストというどこか現実離れして見える人々を身近に感じさせてくれます。
演奏者だけではなく、審査員、作曲家、コンクールの裏方の人々の視点も交えながら進んでいくので、音楽経験者であってもなくても、きっと誰かに共感しながら読み進められると思います。
「音楽を読む」そんな不思議な体験ができる本です。ぜひ彼らの演奏した曲達を聴きながら読んでみてください。