汝、星のごとく/凪良ゆう
森の図書室

汝、星のごとく/凪良ゆう

2024.03.13

「月に一度、わたしの夫は恋人に会いにいく」

この書き出しから始まる一作です。
まず、タイトルが素晴らしいですよね?見慣れてしまうとその煌めきが薄れていくように感じるかもしれませんが、つい声に出して読みたくなる美しいタイトルだと思います。「星のごとく」とはどういうことだろう。儚いもの、強烈な印象の光、夜になると必ず近くにやってくるもの、綺麗に見える時もあれば雲に隠されてしまうこともあるもの…

主人公のように、小さな社会の周りの他人の語り草にされることが怖くて体が動かなかったり、矜持も失って何かに縋るしかない自分の情けなさに押しつぶされそうになったり、こうしてしまえたら楽なんだって分かっているのに出来なかったり…大人になるにつれて抱える矛盾が増えていっていつか爆発しそうな不安に駆られるときがあります。

でも自分の心にしたがう選択をして、「幸せになれなくてもいいのだ。ああ、ちがう。これがわたしの選んだ幸せなのだ」とわたしも思えるように、自分でこの人生を選んだから良いのだと気高く強く生きていきたいと思いました。

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