隣人の愛を知れ/尾形真理子

「恋してないと弱くなる。恋ばかりだと脆くなる。」

幸せの形は人それぞれで、愛情の形も人それぞれで、みんな違った信念や正義を持っているからこそ分かり合えないこともすれ違いを感じることもある。
不倫だから、女優だから、若い母親だから…と無意識に自分の中で＝で結び、人を評価してしまっているのではないかと内省させられました。人の関係性の表面や肩書のうわべだけを切り取って全て理解したかのようにその人を評価するのは身勝手で傲慢なのではないか。人の話を、心の底の思いを、その行動を取るに至った苦しみを知ろうとすることを忘れないで生きていきたいと思いました。

身を置く立場も恋愛も違う6人の女性たちのお話。それが次第に絡み合い、浮かび上がる関係性に相関図を書きたくなります笑
コピーライターで有名な尾形さん。文体も柔らかく、美しく、心が透明になっていくように感じます。
5年後くらいに読むと、また違う人物に共感したりするのかな…と思いを馳せてしまいました。

ぜひご一読を。