思春期の男女の入れ替わりものと一言で言ってしまえば王道のように思えますが、この物語は「15年間元に戻っていない」とはじめに明かされるところが一味違います。
突然性別も、性格も、生活環境も全く違う人と入れ替わってしまうというのは想像するだけで恐ろしいです。しかも本作の二人は入れ替わったまま人生の岐路での選択を迫られます。
自分の人生であると同時にいつか相手の人生に戻るかもしれないという不安や、自分が死んだら相手を殺したことになってしまうという恐怖の中で二人はどのような決断をくだしていくのでしょうか。
読み進めるうちに題名の「君の顔では泣けない」という言葉が重くのしかかってきます。二人泣けるようになるまでの物語をぜひ最後まで見守って欲しいです。