サクラ咲く/辻村深月

「サクラサク・チル」という言葉はよく耳にすると思います。その語源は、大学入試の合格電報だそうです。遠方に住む受験生が合格通知を早く知るために、電報を用いて伝えてもらうっていたそうです。その時に用いられていた文面が「サクラサク」。その言葉は現在も慣用句としてよく用いられています。「サクラチル」はその対として用いられる隠喩。“受験に失敗すること”それが本来の意味ですが、“春の失敗”という点では、他のことも表すことができそうです。「新しい学校での失敗」「新しい会社での失敗」「新しい環境での失敗」「友人関係の失敗」
春は何かと“失敗”がつきものです。慣れていない環境では、上手に動くことも難しいし、理解するのにも時間がかかります。だからといってそこで諦めたら、どこか負けたようで悔しいです。愚痴や弱音を吐ける人は近くにいるはずです。そしてもしそんな人が周囲にいたら、喚起や労いの言葉を伝えてみてください。近くにいなくても、伝えれるはずです。
それこそ少し古風に“電報”なんて良いんじゃないですか。