「道徳だの倫理だの、そう云うものは法律が創り出すものじゃない。社会と云う化け物が、何となく創りあげるものなんだ。幻想だ」
京極堂シリーズは前半500ページで今作の概要や流れを懇切丁寧に本当に嫌になるくらい細かく説明して、後半500ページ怒涛のスピードで物語が進んでいく印象だったのですが今回の勢いも本当に凄かったです
これって、嫌になるくらいの前半説明があるからなんですよね〜!火車!魍魎!関口!よいしょ!
前半は3つの物語が同時に進んでいくので一体どこで誰が繋がっているのか分からなかったのですが後半、もの凄い勢いで繋がっていくのが快感で美しくてゾッとしました。
結局物語に登場するエピソードは全部まっすぐな純愛だったように思います。歪んでるだとか怪奇的だとか法律という線引きがそうさせているだけで、社会という化け物がなんとなく作り上げた幻なんですよね
朝井リョウ『正欲』でスカッとなった方好きなんじゃないかなぁ、なんて思うところです
「魍魎の匣」
題名の意味が分かったあなたは、もう既に京極夏彦の手中でしょう。今年は京極夏彦の夏にするぞー!(アニメも良かったー!)