「何も言わないから読んで欲しい。」
友人から摩訶不思議なお勧めをされて、この本を知りました。あらすじはありませんでした。すべてが謎に包まれていて、新しい感覚。最初の1文で引き込まれました。でも、その時の私は何も分かっていなかったと、読後に気づいた作品です。
世間一般に見せかけた各々の基準。理解されない人たちの生きづらさ、苦しみ、生き甲斐と葛藤の物語。を成り立たせる社会、その社会の正義を守るために理解できないことを考えないようにする人、プライドの物語。の外側で性とマイノリティに悩み続け、理解しようと努力して誰かを傷つけ続ける人たちの青春もどきの物語。これも、全部型なのか。言葉では表せないという言葉は、読後の私の感情をうまいこと表してくれているのかもしれません。
そして、言葉にするとは線を引くということ。名付け難いものに無理やり輪郭を与えてしまうのが、言葉。
読後、しばらく、言葉を忘れてしまいました。
この作品の解釈も、すべての人できっと誰かの想像を超えるのでしょうね。