こんなこと思いついても絶対書いちゃダメでしょ?と言いたくなる、令和随一の怪書です。
倫理や品性のブレイクスルーが気持ち悪くて、だけど気持ち良い。読んでるこっちも変になってゲラゲラ笑いながら読めてしまう面白さがあります。
一つのミステリを様々な角度で解き明かす多重解決ものでありつつ、ミステリの中にミステリが生まれる連動解決もの、とも言えるのではないでしょうか。
平成のSF・サブカルが扱った並行世界・マルチバース的世界の描き方が熟成された、新しい物語の形(言い過ぎかも)、そんな楽しさもありました。
ダイナミックかつ新鮮な物語を求める人になら誰でもおすすめしたい、挑戦的な作品です。