恥ずかしながら、窪真澄さんの著書を手に取るのはこれが初めてでした。
別作品ではありますが、R-18文学賞大賞を受賞されている方ということで心躍らせながらページをめくりました。
読んでいる途中も、男女の生臭さをひしひしと感じ、「結局これが人間なんだろうな」となんだか清々しい気持ちにもなりました。
結局これで社会は動いていて、結局これで解決することもある。
どんなに取り繕っても、結局布を剥いで向き合ってしまえば答えは同じ。
小さな世界で必死にもがいて、誰かのぬくもりに守られたくて。
それを”ふしだら”と指差すやつもいるが、きっとそいつも少なからず”ふしだら”だ。
”人間とはこんなにも尊いものなのだ!”と声高らかに叫んでいる本や、
”ヒトは優れている!”と懇切丁寧に書いているどんな本たちよりも、”人間”を感じられる1冊です。