〈森の図書委員今日のおすすめ本〉
『傲慢と善良』辻村深月
最近、人間関係って難しいなあと思うことがあって、読みたくなって、一年ぶりくらいに再読。
恋愛において感じる「ピンとこない」の正体は、
「自分につけている点数に相手が見合うのか」
「ー私の価値はこんなに低くない。もっと高い相手でなければ私の値段とは釣り合わない」
であるというのは本当にそうだなと。
あとは、地方都市の描写のあまりのリアルさに、地方出身の自分は共感せざるを得なくて、というか、今まで意識していなかったなんとなくの風潮を意識させられた、と思います。
「東京に行った子からしたら、地元の短大も名門女子高も一緒だよ」
「ショッピングモールには、ほとんどが高校生カップルか家族連れで、ここにいるとまるで結婚することが幸福のモデルだと言われているみたい。」
「地方だとお金をかけるところが車しかなくて、車種でステータスを感じるようになる。」
地方ってやっぱり良い意味でも悪い意味でも社会が小さくて、その分少しのステータスとかヒエラルキーの差に敏感な気がします。将来、地元に帰るか悩むなあと考えながら読みました。