
以前投稿した【おいしいごはんが食べられますように】の著者、高瀬隼子さんの作品。
今回も、高瀬さんの雰囲気たっぷりでした。
ある夜、突然「風呂には入らない」と告げた夫。
何日経っても風呂に入らず、最初こそしぶしぶ行っていたペットボトルの水で身体を濯ぐことも次第に拒むように。やがて、雨が降るたびに外へ出て雨に打たれに行くようになる。
結婚して10年、この先も穏やかな生活が続くと思っていた衣津実は、夫と自分を隔てる亀裂に気づく。
今巷でよく聞く「◯◯キャンセル界隈」なんてのはまだ可愛いもので、衣津実の夫は風呂に入らないことを後ろめたく思わず、毎日変わらず会社へ行くのです。
普段の生活でも感じる、夫からの異臭。
これを会社の人はどう感じているのだろうと心配する衣津実だが、あまりに変わらない夫に対し、風呂に入ることを求めること自体おかしなことなのでは?と悩み始めます。
本作は全て衣津実目線で進んでいきます。
衣津実の夫、夫の母、夫の会社の人々、衣津実の母。
登場人物は多くはありませんが、しっかり重い作品でした。
ただ、ここからはあくまで私個人の感想となりますのでご容赦いただきたいのですが、高瀬節が私にはなかなかの重荷でした。
ストーリーが進むスピードこそ楽しめていたのですが、衣津実が自身の幼少期を振り返る件からちょっとずつくどさを感じ始めてしまい、最後は数ページ飛ばして結末を読んでしまいました。
前回読んだおいしい〜もそうだったのですが、私は彼女の描く女性たちが少し苦手なのかもしれません。(これは本当に私の感想なので、みなさまが必ずしも同じではないと思います、ご安心を)
あと、これ男性読んだらどういう感想を抱くのかとても気になりました。読んでみた方、ぜひ教えてください。