4/青松輝
森の図書室

4/青松輝

2025.11.15

〈森の図書委員今日のおすすめ本〉

『4』青松輝

『数字しかわからなくなった恋人に好きだよと囁いたなら 4』
『リュックには花といろはすをいっぱいに、期待していいんだよ運命を』
これは青松輝さんの短歌集から二首引用させていただいています。
彼の短歌は、文字を追っただけではすぐに理解できるものは少なく、「考えようとする」「解釈しようとする」「それでも分からない」という過程を読む者に促してくるように感じられます。その「分からなさ」をどう引き起こすのかを主眼に置いてるように感じられて、そして私達が日常で感じる分からなさを擬似的に表現しているようにも思われるのです。
彼は「ベテランち」という名前でYouTube活動もしています。そこでの彼は軽妙で面白く、noteでは仄暗さを滲ませ、そして短歌では内に秘めた美しさを言葉にして届けてくれる。同じ人が発信しているとは思えないほど多面的でありながら、確かに同じ人物なのだと感じさせる瞬間もあるのです。
時には「こんなにも自分のすべてを言葉にして見せてしまって大丈夫なのだろうか」と余計な心配をしてしまうこともあります。けれど、全てを捧げて名を残すというその熱意に心動かされるものがあるのです。
とにかく、彼の紡ぐ言葉に魅せられた一人として。私はこれからも彼の人生を追い、その言葉に意識を揺さぶられながら、自分自身も生きていきたいと思うところなのです。

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