
2026年本屋大賞ノミネート作品。
「よそはよそ、うちはうち。」という言葉がありますね。
瀬尾まい子さんの作品は、そんな閉じたかぞくのあり方を、コンコンと叩いて、軽やかに開いてくれるような気がします。この「ありか」も、日常から少しズレてしまった場所から始まる、だけど普通な物語です。
子育てを通じて、自身が子どもだった時から信じていた家族の関係に疑問を持つようになる美空。
『子育てというのは、自分が受けてきたことをするのではなく、ただ目の前の子どもにしたいことをするものかもしれない。』
娘・ひかりとの生活の中で変化していく美空。
子育ての中で、彼女はまた新しく自分の心を育てていきます。
人は、自分の場所を常に選べるわけではない。
それならそれで、いまある目の前をよく見つめてみる。普通かどうかでなく、それを日常だと信じて、日々を費やしていくこと。そうやって私たちは、お互いの在処を作っていくのかもしれません。