自己存在意義に対して、その答えのようなものを明記している作品はいくつもあります。それは太宰のような仄暗い作家から、西加奈子のように圧倒的な明るさで背中を押してくれるような作家まで。私も幾つもの作品に触れてきました。
でも、朝井さんは、私が今まで積み上げてきた虚無感を、生きることに対する後ろめたさを別の角度でそれをわかった上で凌駕してくる。読み終わった後すぐに全部は理解できなかったけれど、納得することもできなかったけれど、これから先、何年も何年もかけてこの本を理解して、好きになっていくんだろうなと思います。