正体を隠して活動するアーティストのFと、ファンである友香の物語。 「ぶんけい」として活動してきた著者だからこそFと友香の心情のリアルさ、匿名と隣り合わせの現代を表すことができていると思いました。 目を背けてきた過去と対峙するのは、辛いし、苦しいし、すぐに受け入れられることではありません。総じて私の人生、悪くはないのかもしれないと思えるのは、抱え込んできた秘密を打ち明けた時なのかもしれないと考えさせられました。