数は多くないのですが、ミステリの道は私も通って来ています。今回はミステリ本との初めての出会いを紹介させていただきます。
本に対してまだ若葉マークを付けていた頃の私はジャンルというものを意識したことはありませんでした。本当に手当たり次第、あらすじ買いやジャケ買いの日々。
往く往くと恋愛、ミステリ、純文学、ヒューマンドラマ……とジャンルを意識し出して、「これがミステリか!」「これがどんで返しか!」と初めて理解したのがこの一冊です。
不思議の国のアリスをモチーフにした世界で起きるキャラクターの死。そして現実の世界ではキャラクターにリンクした人物がなんと死んでしまうのです!
これは事件では、と不思議の国で犯人探しが始まっていくのですが……。
私の中でミステリの印象は文章がお堅いイメージがありました。
アリス殺しは文章、というかキャラクター同士の会話が軽いのです。
「Aなんだよ」
「へえ、Aなんだ」
「は? Bって言ってるじゃん」
のように、その会話キャッチ出来てますか? と首を捻りたくなります。
しかも、不思議の国ではみんな頭が回っていないのか「君が犯人か?」「じゃあ、君が犯人じゃん」「君が犯人ね」ともう安易に指をさされるのでツッコミを入れたくなってしまいます。
セリフも言い回しが独特で、読み返す部分もありました。
しかし、軽快なステップで進んでいく文章と後半の圧倒的な伏線回収に本を読む手が止まらなくなってしまいます。
ただ処刑シーンも同様にスキップしながらやってきます。
感想サイトを見ると結構残酷だったと仰っている方が多かったので要注意。