やっとおすすめされていたアニメを観たのです。
『86-エイティシックス-』
泣きました。号泣ではなく、はらはらとぽろぽろと。
理不尽と無情さ。戦いの中で剥き出しになる人の醜悪さやどす黒い現実に揉まれた少年少女の誇りとも呪いともつかない生き方。
アニメの終わり方が綺麗で、切なくて、これからも戦い続ける彼らの姿を見ねばと、アニメを見た次の日に今出ている巻数すべてを大人買いしました。
映像とはまた違う形でグッサグッサ突き刺されて痛いです。
というか、まだ十代の少年少女がどうしてこんな目に!?
捻じ曲がった世界で己を貫くために、温かいものを捨てるしかなかった彼らの姿に哀しみを感じながらも、多分、私は戦わない側の人間なんだろうなと予想出来ます。
差別する側になっても、される側になっても。
ぬるま湯だとしてもいいから、ぬくぬくと大火を知らない顔で本を読んでいたいです。
戦禍に呑まれるよりも、活字に溺れていたい……。
なんて望むことが出来るのも私が恵まれているからこそで。
戦うことしか与えられなかった86の彼らにはそんな些細な望みさえも抱くことは出来ないのでしょう。
一日2、3冊の近年稀に見る速さで読み進め現在、8巻まで来ました。
彼らはまだまだ幸せとは程遠い場所にいます。
むしろ、戦況は悪化しつつあり、人類の終わりがちらちらと見えてしまっている気さえします。
お願いだから幸せになってくれー! いや、ならなくていいから、不幸にならないでくれー!! とまだ欠片ほどの安寧をそっと大事そうにしている彼らの姿を見ながら叫ぶしかありません。
ライトノーベル作品というのを読んだ経験がないわけではありませんが、レーベルとして銘打った本格的なもの(?)は今回初めてしっかりと読みました。
際して、ラノベの定義を調べたのですがあまり明確な線引きはないようです。
若年向けかつアニメ化がしやすい。
軽い文体で分かりやすい。
という感じだそうで。諸説あります。
若年向け……?
それにしてはテーマが鉛のように重いけれど。
軽い文体……?
それにしては切先の鋭い言葉で殴られたけれど。
血反吐を吐きながら11巻まで疾走したいと思います。
彼らの果てに幸あれ!
安里先生ー、私も男性の軍服大好きです!