「ほら、『自然なわたしが大好き』志向のことよ。あるがままに年をとっていくわたし、全部が自分にとって意味があることで満ちているわたし。あんなの、単に自分が幸せになるための、そして自分が人から幸せって思われて安心していたいだけの、ただの現世利益信者でしかないじゃない」
美しい言葉で満たされた恋愛小説ですが、私には主人公の友達である聖の鋭敏な言葉に何度も本心を暴かれ、精神が削られました。
友達と遊んで楽しんでいる写真やお洒落なカフェの写真をSNSに載せるのは、自分が充実した生活を送っていることを負けじと見せつけて安心したいからなのではないかと、知らないうちにそんな虚栄心が自分に根ざしていた事を認識させられました。