「美術作品とは、時間と記憶がすべてパッケージされた、アーティストからのメッセージ・ボックス、いわば過去からの手紙のようなものです。」
私が初めてモネと出会ったのは、三菱一号館美術館で行われた「イスラエル博物館所蔵 印象派・光の系譜」展なのですが、あの時の衝撃は今でも鮮明に思い出せます。
大きくて、大きすぎてうっすら恐怖すら感じてしまう睡蓮の絵。見れば見るほど怖くなってしまって、絵画が持つ力とモネの迫力に張り倒されました。
個人的に芸術家は人格を生贄にしている職業だと思っているのですが、モネも例外ではなく同じ睡蓮のモチーフを約250枚描き続けたそうで、これは狂気の沙汰じゃないぞと思いました。
そして、そんなモネの生涯が丁寧に丁寧に紡がれる一冊。画家を友に持つ原田マハさんと、少し美術史の世界に足を踏み入れてみませんか?