読み終わって
歓喜喚くことはなく、歓喜することはなく
感動ではない、何かこう事の言えない短編集。決して派手さのない物語の集まりが、
各主人公の身体・心・情景をものの繊細に映し出してくれているように感じます。
表題作である「星がひとつほしいのと祈り」は、1人道後温泉を訪れた主人公“文香”がホテルで頼んだマッサージ師の老婆が語る昔の日の思い出。儚げのあるそのお話と不思議な老婆の存在に少し暖かみを感じるおはなしです。
原田マハさんが描く、20〜50代まで各世代の女性が主人公の、全七篇の短編小説集です。