「私なんて誰でもないよ、ただの箱とかそういう、いや箱でもない。
なにかを入れる額みたいなやつ。自分に意味なんてないから。
自分ではない誰かの人生でいい。自分らしくとか、自分としてとか強制されたくないんだよ。」
幼少期から将来の夢が一回もできたことがなくて「自分らしく」なんて言葉は恐怖でしかありませんでした
自分って毎日地続きにつながっているように見えて実はその時その時で考え方や感じ方全く違うのに、「自分らしく」なんて大雑把です。
加えて厭世的になっている時に将来の夢など聞かれた日にはそれはもう気が滅入ってしまいますよね。質問じゃなくとも受験や就活、転職等本当にどうだってよくて、でも大切なことは分かっててもどかしい時に私はこの一冊に救われました。
又吉さんの大きな優しさと、愛おしい登場人物に是非会いにいって欲しいです。