口も聞いたことの無い女に熱烈に恋をして、失恋する。
あらすじを書こうとするとこれしかありません。しかしそこにいたるまでの思考と奇行(本人は大真面目)が面白い!
「自分は女に飢えている。残念ながら美しい女、若い女に飢えている。」
開始早々の独白から主人公はだいぶやばそうな人なですが、その後もずーっと一人の女性に対して「彼女と結婚したい。」「彼女も私と結婚するのが幸せだ。」「私と結婚したいと思っているはずだ。」と言い続けるまさに”お目出たき人”です。
でも憎めないのは、わざと彼女のいそうなところに出向いて会えずに落ち込んだり、偶然会えたら緊張して話せなかったりする可愛らしい一面があるからだと思います。
主人公の片思いには、相手を理想化し彼女に恋する自分に溺れているような自己中心的な印象を受けました。ただ、これほど極端ではなくても人に恋をするというのはこういう側面を持つのだとも思いました。