脳腫瘍で余命わずかと宣告された主人公。1日の延命と引き換えに世界からモノが一つずつ消されていく。
自分の大切なものが消えていくことは、あまりに辛くて、自分は個別なものではなくいろんな人や物との関係性の中に存在しているのだと改めて感じさせられました。なんだか私が好きなあの歌も、この店も、家族も、友達も、ぜんぶ自分の一部のような気がして、こころがなんだかふわふわと浮き上がっていくような気持ちになります。
映画化もされたのでご存じの方も多い作品だと思います。実は、主人公の飼っているネコ目線の本『この世界からボクが消えたなら』も出ておりそちらも合わせて是非読んでみて欲しいです。猫好きな私は題名に惹かれて中学生の頃にこの2冊を読みましたが、折に触れてこの本のあたたかさを思い出します。