「生きることの辛さを、死ぬことが救ってくれる、そう思わなければ死を持って生きることなんてできやしなかった」
難病である原発性肺高血圧症を患っていたこの本の作者、小坂流加さんは『余命10年』の文庫版の編集が終わった直後に病状が悪化し、2017年2月に38歳という若さで逝去したそうです。
この本の主人公、茉莉にご自身を投影しながら書かれたのだと思うとなんとも言えない気持ちになりますし、簡単に感想を口にすることも憚られます。
2年前に映画も公開されました。私は映画館に観にいきましたが、そちらも美しい映像の中に茉莉と和人と、茉莉の家族や友達、みんなの感情が溶け出して何度も何度も胸をつかれました。
映画の音楽は劇中歌も含めてRADWIMPSが担当しておりますが、全ての楽曲が素晴らしいです。私の中ではこれから生きる上で大事にしていたい感情を思い起こさせてくれる映画の一つです。
是非映画も合わせてこちらの小説を味わっていただきたいです。