「あなたは もしかしたら
存在しなかったのかもしれない
あなたという形をとって 何か
素敵な気がすぅっと流れてただけで」
作者茨木のり子が最愛の夫への想いを綴った詩集の一編、「(存在)」です。
人と人との間に揺蕩っている体温が、見ず知らずの私達にこんなにも暖かく流れ込んでくるなんて、どれだけ旦那様を愛していたのでしょうか。
人を愛し慈しみ続け、心から誰かを想った言葉と共に生きてゆけることが私にとっては何事にも変えがたいです。無くなればなくなるほど色が濃くなる人の存在に出会えたら、あわよくばこの先もそんな文章に出会えたらと思います。