「すごい。すごい力だ。これが、自然の力なんだよな。生きる力、なんだよな。」
何となく続いてしまう営みに流されるまま、時間を消費し続ける日々。そんな慢性的な苦しさを払拭してくれるような、その根元を覆してしまうような力をこの小説から目一杯に受け取りました。
壮絶ないじめを受けて引きこもりになった24歳の麻生人生。母が突然いなくなったことをきっかけに外の世界へと踏み出します。人生が米づくりを通じて、人の温もりや世界との携わり方を享受していく姿に酷く胸を打たれました。
『生きる、ぼくら。』この題名の意味を、パワーをぜひ受け取ってください。