舞台は4代将軍家綱の御代。”改暦”という世を揺るがす一大事業に人生をかけた者達の物語。
主人公の渋川春海のすごいところは何度挫折しても挫けないところです。
物語の中で彼は何度も何度も挫折し、失望感を味わい、ときには無気力で何も出来ない日々を送る時もあります。それでも目標を定めれば一直線に駆け抜けて、前だけを見つめています。
その実直で、芯のある強さは読んでいるこちらまで清々しい気持ちにさせてくれます。春海マインド、見習いたいです。
“江戸時代の算術”と”改暦”という風変わりで難解な主題にもかかわらず、物語としての勢いを最後まで失うことはなく、はじめは「難しそう…」と感じても気がつけば算術と暦の世界に魅了されています。
暦を変える、それは人々の時間を変えるという一世一代の大仕事。ぜひ見届けてください。