弦楽器の中で私はチェロが1番好きです。中低音の柔らかく深みのある音色は、聴いていて安心感と心地の良さを与えてくれます。昔ドヴォルザークのチェロ協奏曲を聞いて大ファンになりました。ぜひ一度聴いてみてください。
前置きが長くなりましたが本作はそんなチェロを中心とした人々の物語。
全日本著作権連盟に所属する主人公が音楽教室へスパイとして潜入するところから始まり、そこで出会った人々と楽器を通してトラウマと対峙していきます。
「チェロを弾きたいなら教えてやる。ここはそういう場所だから」
年齢も職業もバラバラ。でも同じ楽器を演奏するというだけで繋がった関係。そう聞くと脆いつながりのように思えますが、他に接点がないからこそ、純粋でときに心の支えになるような柔らかい繋がりが生まれるのだと思いました。