【第70回江戸川乱歩賞 受賞!】
【豪華選考委員大絶賛!】
そんなタイトルを掲げた作品が当店の新作棚に登場。普段ミステリーにはあまり触れないのですが、これは気になる。
と、いうことで食わず嫌いせずに読んでみました。
面白すぎて2日で読了。
ページ数は281。どなたでも読みやすいと思います。
本作はいろんなタイプのマッチョが出てきます(笑)でも、どのマッチョも物語のなかでかなり重要なマッチョです。
人気アイドルの大峰颯太がたった3ヶ月のトレーニング期間でボディビル大会で上位入賞。しかしSNS上では、彼のドーピングを指摘する声な上がり炎上状態。
当の本人は疑惑を完全否定するだけでなく、なんと「会いに行けるパーソナルジム」をオープンさせてしまうのだった。
そんな疑惑についての潜入取材を命じられた新人記者・松本健太郎は嫌々ながらにそのジムへ入会し真実を突き止めるための日々が始まる。
勝手ながら、江戸川乱歩賞作品=お堅い(難しい)物語、と偏見をもっていました。70回も続いている名誉ある賞ですし、選考委員の方々も豪華。
襟を正して読むべきもの、というような敷居を感じていました。
いやいや、70年の歴史を侮るなかれ。
江戸川乱歩賞はいつだって新しい。
時代と共に、描かれるテーマ、テンポ、エンタメは移りゆき、ユーモアミステリー作品が受賞する令和。この時代にこの作品に会えたこと(出会わせてくれたこと)を「ナチュラル」に幸せと感じる。
江戸川乱歩賞へ感謝の念を抱くことになるなんて、人生なにがあるかわかりませんね。でも、この嬉しさは「本物」です。
みなさんもフェイクが氾濫するこの時代に現れた本物の才能を感じてください。
ちなみに、ページ後半にある選評もとっても面白いです。(ネタバレ含んでいるので読み終わった後がいいかも)
選評だけの文庫作ってほしい、、、。