食料確保のため、食用クローン人間が育てられている日本で、その発送に携わる男が「首を落として出荷したはずのクローンが首を抱えて届けられていた」という事件に巻き込まれるところから物語は始まります。
まず”食用クローン人間”というワードが当たり前のように登場し「え?」となり、読み進めていくうちに謎が解けたと思ったら否定されるの繰り返しで、「え?え?」の連続でした。ただ最後に全てが明かされた時の衝撃とスッキリ感は凄まじいです。
クローンを含む独自の設定の扱い方にも唸らされました。
ミステリーとしても素晴らしいですが、物語の中の社会の設定が細かいところまで作り込まれているので、読み始めてしまえば白井ワールドに引き込まれます。
残酷な描写も多く苦手な方もいらっしゃるかもしれませんが、途中でわけがわからなくなっても、グロさに本を閉じたくなってしまっても、諦めずに最後まで読み切ることを全力でおすすめします!