本屋大賞2025にノミネートされ、3位を獲得した本作。個人的に”小説を読む人”に読んで欲しい小説という意味ではぶっちぎりの一位でした。
本、特に小説が好きな人なら一度は「なぜ、本を読むのか」ということを考えたことがあるのではないかと思います。歳をとるにつれに自分の行動に価値を見出すことに必死になり、それが読書にも及ぶ、悲しいですが自分にもとても心当たりがあります。
娯楽、暇つぶし、教養、話題作りなどなど、それぞれ落とし所を見つけて、読書をしているのだと思いますが、本作はそこに新しい選択肢を与えてくれる作品でした。
長くなりますがもうひとつ。
私も小説は好きですが、感想を人に伝えるのがあまり得意ではなく(このアカウントを以前から見てくださっている方はご存知かもしれませんが…)、結果「面白かった」としか話せずに結構落ち込みます。幼い頃から読書ばかりしているのに、”小説を読む”ことに特化した主人公には共感しかありませんでした。
書くことはない、ただただ読み続ける一読者の心に突き刺さる、まさに読者のための『小説』です。ぜひ。